水曜日, 12月 20, 2006

洗濯考

家はおじいちゃん、おばあちゃんのいる7人家族だったので、洗濯物が毎日、山のようにあった。母は二層式の洗濯機で白物、黒物と次々と回して、すすぎ、脱水を繰り返し、2階の洗濯場に干しに行った。古い家の物干しは広かった。木枠で四角く組んであり、水色のペンキを塗ってあった。蒸し暑い夏の夜、父が夕涼みに寝転んでいたり、お兄ちゃんがカメラのシャッターを開けて星の動く線の写る夜の空を撮ったり、中秋の名月には、すすきやおはぎをお供えしていた。

私は今、自動洗濯機と乾燥機で、週に2.3回まとめて洗濯している。地下に置いてあるので、たまに夜に洗濯することもある。ここでは冬の間は雪が積もっていて外に干せないけど、夏でも外に干す家はめったにない。共働きの家庭が多く、それに貧乏くさいというイメージがあるそうだ。それでも私は夏の間はシーツやタオルを外に干して、太陽のにおいのする洗濯物をたたんでいると、小さな幸せを感じる。母は今、父と二人暮し。洗濯物が少なくて寂しいと言っている。